[ぼくの国、パパの国]

監督:ダミアン・オドネル/原作・脚色:アューブ・カーン=ディン/撮影:チャオ・フェイ/出演:オーム・プリー、リンダ・バセット、ジョーダン・ルートリッジ、ジミ・ミストリー他 /1999年イギリス /96分 /配給:クレストインターナショナル 1月公開予定

パパは誇り高きパキスタン人。7人の子供たちを立派なイスラム教徒に育てたいと願っている。ところが、子供たちは…‥マンチェスター生まれの現代っ子! 彼らはイギリスへの移民家族なのだ。日常会話はもちろん英語だし、子供達は年頃だから普通にデートもしたい! もう、パパの言うことなんてきくもんか! 西と東のカルチャー・ギャップあり、親と子のジェネレーション・ギャップあり。この小さな家にぼっ発した独立戦争、果たしてどうなる?

物語そのものは「家族をテーマ」にしたよく見かけるもの。一見地味な印象を受けるが、映像、音楽センスの良さから思わず自分がパキスタンにいるようなイギリスにいるような不思議な気分になり、のめりこんでしまいました。とにかく、よく笑える。ギャハハ的な笑いじゃなくて、突然襲われて思わず吹き出してしまうような笑いでした。ギャグはきちんと仕込まれているのに、全然わざとらしい笑いじゃないし。特に物語の冒頭で長男が父親が決めた結婚相手から逃亡したあとのオチが笑ます。その辺も注目して欲しいです。

映画的には「考えされる娯楽映画」ですね。楽しませた後からいろんなことを考えさせてくれました。でも人種、宗教的な背景をとやかく考えながら見るより、この家族が巻き起こすドタバタをサザエさん的な見方で見るのもいいかもしれません。当たり前のことかもしれないけど役者さん一人一人に個性があって、それでいて「本当の家族なのでは?」と思えるほどの調和でした。特に末っ子のサジ(ジョーダン・ルートリッジ)のキャラクターはすごく印象的。ラストまでの成長ぶりが良かったです。

Text : KAY


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