[ベンゴ]

監督・脚本:トニー・ガトリフ/撮影:ティエリー・プジェ/出演:アントニオ・カナーレス、オレステス・ビリャサン・ロドリゲス/上映時間:89分/配給:日活/2000年 スペイン・フランス

アンダルシアの男カコ。カコを慕い、フラメンコを心から愛する甥のディエゴ。カコの娘ペパが亡くなり悲しみを紛らわすため、日々くりひろげられる盛大な弔いのフラメンコパーティー。不自由な体をもちながらも体いっぱい使って感情を表現するディエゴは、実は常に命を狙われている。カコの兄マリオがカラバカ家の長男サンドロを殺害し、行方をくらましているからだ。家の壁には“サンドロ おまえの敵は討つ”の文字が…。仇討ちの闘争に巻き込まれていくカコとディエゴ。死の恐怖に怯えながらも一家を守る決意を胸にカコはただひとりカラバカ家に向かうのだった。

題名である「ベンゴ」は“VENGER=復讐する。”と“VENIR=何かがやって来る”を意味するスペイン語である。


フラメンコ、それはスペインの南西に位置するアンダルシアで生まれた情熱的な芸術である。移動、迫害、いく世代にもわたる旅を経てここに辿り着いたロマ民族(ジプシー)。その生きざまの音楽を映像化するにあたり、伝統のフラメンコを現代に蘇らせた天才フラメンコダンサー アントニオ・カラーレス、この地で暮らすふつうの人々を役者に起用。他にもギター・シンガーなど全て最高のミュージシャンで固めている。ロマ民族の歴史を携え、苦悩、悲しみを乗り越え精一杯生きているアンダルシアの人々。その情熱と叫びが伝わってくる本物のフラメンコにようやくめぐり逢えた気がする。余談ではあるが酒場で日本語の曲を歌っているシーンがある。日本のメロディさえもフラメンコに変身させてしまうのだ。何という曲かって?それは見てのお楽しみだ。

Text : kyoko [UNZIP]

『ベンゴ』七夕イベント
「真夏の夜のフラメンコ フラメンコギター&津軽三味線ミニライブ」

『ベンゴ』公開記念と、2001年の七夕を祝して下記の通り、ミニ・ライブイベントが行われます。フラメンコギターと三味線とのセッションというユニークなイベント。ぜひ足をお運び下さい!

日時: 7月7日(土)19:00〜19:30
(イベント終了後、『ベンゴ』本編上映89分/19:30〜21:00)
場所: 渋谷シネマライズ
出演: ○黄金井脩 こがねいおさむ(ミュージシャン)
バンド活動他、渋谷、銀座などで弾き語りを続け、ヨーロッパ等を放浪。ジプシーキングスとは、アミーゴと呼び合う仲であり、日本で最もエキセントリックなスパニッシュギタリストである。
○福居典美 ふくいてんび(津軽三味線奏者)
幼い頃から祖母に民謡の手解きをうけ、津軽三味線を始める。津軽三味線、全国民謡三味線の福居流師範を襲名。民謡界だけでなく、ロック、ジプシーミュージックとのコラボレーション、単独ライブなど活躍の場を広げている。

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