[リムジンドライブ]

制作・脚本・監督:山本政志/ラインプロデューサー:サラ・ギレンスティアナ/撮影:マイケル・パールマン/音楽:T.M.スティーブンス/出演:T.M.スティーブンス、仲祐賀子、鬼丸、サンキ・リー、チョードリー・イクラム、ドン・トラン、津田寛治/衣装提供:ヒステリックグラマー/上映時間:93分/配給:レイライン/2000年
:『リムジンドライブ』オフィシャルサイト

マリークは、ブロンクス生まれの黒人リムジンカカードライバー。元はちょっとイカしたファンクベーシストだったが、今は分かれた女房と娘に養育費を払うために働いている。

その日の客は、ちょっとイカれた若い日本の女の子。名前はエリ。下手な英語で思い付くままに行き先を指示するエリ。フリマにピザ屋にCDショップとふりまわされっぱなしのマリーク。しかも、彼女の元彼ナオとの喧嘩の仲裁に入っている隙に売上げ金まで盗まれる始末。なんとかお金を取り戻すために、エリと盗人の一人ジェイと、なにやら怪しげなパキスタン人まで加わった奇妙なメンバーで犯人捜しのリムジンドライブが始まる。が、犯人を捜すうちに、なんとキャデラックまでもが盗まれてしまう。おまけにエリは居候を始める始末で、彼女は疫病神なのか、それとも…。


「Junk Food」で話題を集めた山本政志監督の最新作。今回は何と、オール・ニューヨークロケ!

ドライバー・マリーク役に、スーパーベーシストのT.M.スティーブンス。エリ役に、現役ギャルの仲祐賀子。この二人を軸に、POPでファンキーな世界を作り出している。 彼は現役ミュージシャンだけあり、かっこよくて魅力的。彼のベース演奏も随所にあり、ファンクファンには見逃せないシーンが盛り沢山!!

また、厚底ブーツでニューヨークを彷徨うエリの姿は、山本監督による「ギャル版不思議な国のアリス」といった雰囲気。(追いかけるのはウサギではなく男の子!?) 彼女はオーディションで選ばれたということ、あれが地なのか、現役ギャルぶり発揮でナチュラルな演技。ヒステリックグラマーが衣装提供しているだけあって、彼女の衣装も見所のひとつでしょう。

そして、この映画の中でのイチオシは、エリの彼氏ナオ役の鬼丸君!! 主役ではないが、ものすごい存在感。元々、有名なチーマーだったそうだが、ギャングに憧れるキレたナオ役がぴったり。凶暴で冷酷で、ものすごい美青年。中国マフィアと徒党を組んで髪をなびかせ歩いているシーンですら、フォトジェニックできれ〜いなのです!!これからの活躍が楽しみですな。彼の存在を知ることができただけでも、この映画を観た価値充分あり!!

Text : yanagi

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