[風と共に去りぬ] GONE WITH HE WIND/デジタルリミックスバージョン
2001年8月4日(土)〜8月17日(金)シネ・リーブル池袋にて/2001年8月25日(土)〜9月7日(金)シネ・リーブル梅田にてロードショー

製作:デビット・O・セルズニック/監督:ビクター・フレミング/原作:マーガレット・ミッチェル/衣裳:/ウォルター・プランケット/音楽:マックス・タイナー/出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル他(1939年/アメリカ/MGM映画/配給:日本ヘラルド)

1939年、アカデミー賞10部門受賞の大傑作『風と共に去りぬ』が最新技術を駆使し、リニューアルカラー〜鮮やかな色〜、デジタル・サウンドバージョン〜クリアな音〜で新しく生まれ変った!

今回日本公開する『風と共に去りぬ』は、今までのものとはどこが違うのか?
[1]アナログから新しく作り直したデジタル・サウンドバージョンで、クリアな音を実現。
[2]約12分に渡るネガの再生。公開当時のフィルムがカットされることなく上映。オリジナル・フィルムが完全復活。
[3]1974年以降、停止されていたテクニカラーのダイ・トランスファー・プロセスを25年ぶり復活。莫大な費用と時間を要したこの技術のおかげで、白と黒のコントラストがはっきりとし、色味、特に赤、緑、青がさらに鮮明になった。また焦点もくっきりとし、3次元的な深みが出て、シャープになる。 観客は美しい地平線や肌のトーンや、衣裳の生地の暖かさの違いといったものを見て取ることが可能になった。これがリニューアルカラーの凄さだ!
[4]世界最大で最高の設備を誇るデジタル・リストレーション・カンパニーであるEDSにフィルムの傷、汚れ、ひび、しみなどを修復させた。また、撮影中(1939年)レンズについてしまった髪の毛や、ワイヤーなどをデジタル技法によって消すことに成功し、画像から欠損を取り除いた新しい綺麗なネガを完成させた。
[5]30年ぶりにオリジナルスクリーンサイズで映写される。今まではスタンダードサイズ(1×1.33)をビスタサイズ(1×1.85)で映写されることが多かったため、1/3がカットされていた。
[6]戸田奈津子さんによる、字幕の新翻訳により、60年前の主人公たちがいきいきと蘇った。


アメリカ、南北戦争の頃。敗者となった南部の都市アトランタに繰り広げられるスカーレット・オハラという気丈な女性のお話。蝶よ花よと育てられてきた裕福な家の娘が、戦乱にもまれたくましく自立して行く。

自分の望むものが手に入らないなどと考えもしないような高慢な主人公が初めてなめる挫折は、まさに開戦前夜、思いを寄せていた好青年アシュレ−の突然の婚約発表だった。花嫁に選ばれたのは、スカーレットの、激しく自己中心的な性格に極をなす、物静かで謙虚で献身的なメラニ−。アシュレーへの想いを断ち切れず、後を追い続けるスカーレットの前に現れ、彼女を愛し、窮地の度に登場するヤクザな男、レット・バトラー。

戦争勃発、そして南部の敗戦で、スカーレットは富を失い、飢えと屈辱に対面し打ちのめされるのだが、それもつかの間、その敗北感をバネに甘やかされた子供時代を捨て強い女性へと変わっていくのだった。

失われた富を取りかえすことを故郷タラの土地に誓い、そしてそのとおりに再度財を手にしていくスカーレットには、いつもレットの存在があった。スカーレットを愛し続けたレットの想いは叶い、やがて二人は夫婦となり家庭を持つこととなる。この時スカーレットには今の幸福に気付くことができなかった。心のすれ違いや諍いをへてレットへの愛に気付いた時には、今度はレットが去っていく番だった。富を取り戻した時に、愛を失ってしまったスカーレットは、敗戦後に立った時と同じように再びタラの地に立ち、失ったものを取り返すと再出発を誓う。


映画はスクリーンで観るものなんだと、そんなことを思ってしまう。ビビットな色彩と広大なスケール感、そして、溢れんばかりの画面に上手くのった壮大なオーケストラ。これぞアメリカ、ハリウッドといった感じ。

描かれる人物像も明解でいさぎよい。クラーク・ゲ−ブルはニヒルでかっこいいし、なんといってもスカーレット・オハラのような美貌の、あれだけ自信に満ちていて立ち直りのタフな女性、アメリカにはたくさんいるのだろうか?実際隣にいる友人だったらどうかなと思うけれど、それでもあそこ迄爽快な人がいたら気持ちいいだろうなぁ・・・と思う。そんなスカーレットにはまり過ぎるほどはまっているビビアン・リ−はやっぱり永遠の女優だ。といっても彼女はイギリス人だけれど…

年に幾つの映画が製作されていようとも、黄金時代の、不朽の名作のもつ絶対性には及ばないなにかがあるのだろう。新作に追い着かず、この手の映画を観るのもままならないことではあるけれど、しばらく振りの古典にかえってみるのもなかなか悪くな
い。

Text : kodama yu

『世紀を越えてよみがえるクラシック名画特選』

シネ・リーブル池袋(2001.9/1〜11/16)/シネ・リーブル梅田(2001.9/8〜11/16)にて、クラシック名画の特集上映が催されます。
『世紀を越えてよみがえるクラシック名画特選』日本最終上映となる『ベニスに死す』をはじめとした名作を一挙上映。前半のヨーロッパ篇では『ベニスに死す』、『家族の肖像』、『ひまわり』の3作品後半のハリウッド篇では『哀愁』、『心の旅路』、『誰が為に鐘は鳴る』、『カサブランカ』の4作品を上映予定。スケジュール等の詳細は各映画館へお問い合わせ下さい。



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