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黒社会のボス、ブン(コウ・ホン)が何者かに命を狙われた。かろうじて命を取り留めたブンは、年の離れた弟のフランク(サイモン・ヤム)に組織のなかから信用できる男たちの召集を命じる。
召集された男たちは5人。ベテランの殺し屋だった過去を持ち、現在は美容師として店を営むグァイ(アンソニー・ウォン)。銃のエキスパートとして、グァイと苦楽を共にした寡黙なフェイ(ラム・シュー)。以前はスゴ腕の狙撃手だったが、今ではしがないナイトクラブ支配人のマイク(ロイ・チョン)。すでに黒社会を引退している彼らは、組織との絆は決して切れることはないのだ。そして、現役の組員で成り上がりの殺し屋、ロイ(フランシス・ン)と彼の弟分シン(ジャッキー・ロイ)がそこに加わった。 そんな境遇が違う彼らに与えられた、ミッション(任務)。それはボディガードとしてブンを守り、真犯人を割り出すこと。それがたとえ、誰かが命を落とすことになっても・・・。 面識がないことから、初めは衝突を繰り返す5人。だが、仕事での緊張感や退屈感から彼らの距離は次第に縮まっていく。やがて、彼らは激しい攻防戦の末、殺し屋を追いつめ、真犯人を割り出すことに成功。かくして、ミッションは遂行された。しかし、ブンはグァイに新しいミッションを与える。それは彼の妻と関係を持ったシンを抹殺すること。果たして、友情と組織の掟に縛られた5人の男たちの運命は・・・? 原題タイトルは『鎗火』。銃撃を意味する言葉である。だからといってハリウッド的なガンアクションではない。セリフが少なく、淡々と描かれているところなどは、どこか西部劇を彷佛とさせる映画なのだ。そんな静寂を保ちながら、物語は進行してゆく。その静的な部分と、ガンアクションでの動的な部分のメリハリが映像をよりいっそうクールでスタイリッシュに見せている。またこの映画は低予算で製作され19日という短期間で撮影されたということなのだが、それを感じさせないところに驚かされた。 監督は、チョウ・ユンファ主演『過ぎ行く時の中で』、『ロンゲスト・ナイト』のジョニー・ト−。出演では、グァイ役に『八仙飯店之人肉饅頭』で狂気に満ちた連続殺人鬼役を演じたアンソニー・ウォン。ロイ役に『欲望の街』でイーキン・チェンのライバル役を演じたフランシス・ンなど個性的な俳優たちが顔をそろえる。 Text : niimura[UNZIP] Copyright (c) 2001 UNZIP |