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14世紀ヨーロッパ。ジュースティングと呼ばれる馬上槍試合が行われるトーナメント会場で、観衆がQUEENの“We
Will Rock You”を歌い試合を盛り上げる。そんな中、ウイリアム(ヒース・レジャー)は、ふたりの仲間、ローランド(マーク・アディ)とワット(アラン・テュディック)とともに、トーナメントに出場するエクター卿に従者として随行していた。だが卿は勝利を目前に命尽きてしまう。平民はトーナメントに出場できない決まりだが、ウイリアムは卿になりすまし、見事、ジュースティングで優勝を決め、賞金を手に入れるのだ。幼いころから騎士に憧れていたウイリアムは、ルーアンでの大会にも出場しようと提案する。ローランドとワットの協力もあり、一ヶ月の特訓の後に、大会に出場するためルーアンへと向かうのだった。
身分を偽りトーナメントに出場したウイリアムは、騎士としての頭角を現していく。その彼の前に立ちはだかるのはジュースティングのチャンピオン、アダマー伯爵(ルーファス・シーウェル)。ウイリアムは本物の騎士になるために、そして憧れの女性ジョスリン(シャニン・ソサモン)を守り、愛を勝ち得るためにも、彼を倒さなくてはならない。 いきなりオープニングでQUEENの“We Will Rock You”、ウイリアムとジョスリンのダンスシーンではDAVID BOWIEの“Golden Years”、エンディングではQUEENの“We Are The Chanpoin”、その他の場面でもWAR、THIN LIZZY等々1980年代のロックが取り入れられ、まさに『中世ロック映画』! 衣装では、いろいろ変わるジョスリンの衣装や、男性陣の衣装(1972年のザ・ローリング・ストーンズのツアー衣装が参考になっているという)、あとは鎧に注目してほしい。鎧は人間が着るものもかっこいいのだが、馬もまたかっこいいのである。また、ジュースティングの試合前に行われる騎士の従者による主人の紹介が、まるでリング・アナウンサーのようで観客の心を奮い立たせる。まるで現代のエンターテイメントのように、ジュースティングのトーナメントが行われる。 この映画は現代に馴染みの深いものが多数取り入れられ、中世の世界が私達に親しみやすいようにアレンジされている。普通は中世を舞台にした映画は重々しいものが多いが、このアレンジのおかげで、「ロック・ユー!」はとても身近に感じることができたのだ。もっと事実に忠実じゃないといやだという意見もあるだろうが、中世を現代に置き換えると感覚的にはこっちのほうが近い? なんて思ってしまう。少しやりすぎて、アレレと思うところもあるけど、ロック好きはもちろん、爽快な気分になりたい人は是非劇場へ! Text : [UNZIP] niimura Copyright (c) 2001 UNZIP |