|
||
人生の転機は、思いがけない時にやって来るものである。コナー・オニールの場合、少年野球チームのコーチを依頼された時がそうだった。
彼がその役目を引き受けたのは、週500ドルの報酬のため。コナーがコーチをつとめることになったのは、シカゴの低所得者住宅地区の少年たちで結成されたキカンバスというチーム。ユニフォームはないし道具もボロボロだが、少年たちの瞳は野球への情熱で輝いている。そんな彼らを指導する立場に立ったコナーは、野球以外でも、子供たちの生活と深く関わることになる。その日々を通じて育まれていくコナーと少年たちの絆。自分を無条件に信頼し、ひとつのチームにまとまっていく子供たちの姿から、コナーが学んでいくのは、どんな時も全力を尽くすこと、そして、誇れる自分になることだ。挫折の泥沼にはまりこみ、生きる目的を見失った人間が、子供たちとの触れ合いを通じて自分を取り戻していく姿を、ハートウォーミングなタッチで綴り上げたストーリーである。
劣悪な生活環境で生きる子供たちの野球への純粋な気持ちを描いたこの作品。「前向きに生きること」というテーマを直球で投げかけ、最後には涙をさそう。コナーが、子供たちと触れ合ううちに生きる姿勢を学び取っていくという単純なストーリーではあるが、けれどそのシンプルさゆえに、感動も素直に心に響く。しかし、キアヌに関して言えば恋愛ものや感動ものを演じるにはやや力不足?と感じてしまう。やはり、スピードやマトリックスの印象が強いのだろうか。正直、がっかりした。次回作に期待したいものであるが…。 Text : imafuku [UNZIP] Copyright (c) 2001 UNZIP |