[13ゴースト] 13 GHOSTS
2002年8月24日より渋谷東急3ほか全国ロードショー公開

監督:スティーブ・ペック/脚本:ニール・マーシャル・スティーブンス、リチャード・ドヴィディオ/原案:ロブ・ホワイト/ 製作:ギルバート・アドラー、ジョェル・シルバー、ロバート・ゼメキス/製作総指揮:ダン・クラッチェロ、スティーブ・リチャード/キャスト:トニー・シャローブ、エンベス・デイヴィッツ、マシュー・リラード、シャノン・エリザベス、アレック・ロバーツ、J・R・バワーンほか
(2001年/アメリカ/配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

∵公式サイト


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【STORY】
悪魔仕掛けの遺産豪邸。最後の生贄が地獄の門を開く…! 遺産相続した人里離れた巨大な豪邸。だが、そこは地獄への入り口だった。母親の不慮の死を克服できないある家族に転がり込んだ突然の幸運。それは音信不通だった大富豪の叔父からの遺産相続だった。想像以上の豪邸に、以前のような明るい生活を取り戻すかに見えた家族。しかし、その建物には彼等をさらなる悲劇へと引きずり込む邪悪な陰謀が秘められていた。相続した豪邸は、地獄の扉を開く暗黒の儀式のために設計された巨大な装置であり、強暴な12人の悪霊達の巣窟だった…! 出口無し、逃げ場無し。やがてそこは死者と生者との壮絶なバトル・グランドと化し、悲鳴も凍る恐怖と戦慄のサバイバルが始まった!

【REVIEW】
『13ゴースト』のタイトルどおり13人のゴーストがでるかと思いきや、12人しか出てこない…? 13人目のゴーストとなるべく罠にかけられた一家に襲い掛かる身の毛もよだつ恐怖!…と言いたいところが実のところそんなに怖く無い。プレス資料にはこの12人のゴーストの詳細なキャラクター設定が書いて有りここで詳しく紹介できないのが残念である。全身銃撃による穴だらけの巨漢の霊・ジャガーノート、近づく者を切り刻まずにはいられない狂人・ジャッカル等、何故彼等がゴーストになったのかの詳細な紹介が書かれていてスタッフのマニアック振りが際立つパンフレットであるが、劇中ではやはり12人ものゴーストを詳細に紹介するには時間が足りず惜しい気もする。劇場で見る時は是非パンフレットを購入して観劇前にチェックすると2倍楽しめるかな?!

登場人物達は霊視ゴーグル・イリュージョンO(オー)をかけると、普段は見る事の出来ないゴーストを見る事が出来る。これを使って12人のゴーストを捉えた富豪のサイラス(F・マーレー・エイブラハム)の目的は、12人のゴーストの霊力を利用して、悪魔の作った設計図で作られた謎の豪邸(実は地獄の門を開く為の装置)を作動させることだった。妻を火事で失った一家の主、アーサー(トニー・シャローブ)達家族を弁護士のベン・モス(JR・バワーン)を使ってこの豪邸に招き入れ、地獄の門を開く為のスイッチを開かせるのだが、実はその火事もサイラスの巧妙な罠だったのだ…。

ホラー映画であるが根底には家族愛が貫かれていて、凶悪なゴースト達とのギャップがちょっとこの作品を曖昧なものにしてしまっているような気がする。ゴースト達も狂人サイラスの犠牲者のようであった。

この映画の売りは、数多くのギミック・ホラー映画を世に売り出したウィリアム・キャッスルへのオマージュであろう。ウィリアム・キャッスルの作品の数々に影響された、ジョエル・シルバー(『マトリックス』)とロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)の2大ヒットメーカーが共同で設立したダークキャッスル・エンタテインメントの『TATARI』に続く第二弾が本作である。(共にウィリアム・キャッスルの迷作?のリメイクである) ジョン・ウォーターズ、スティーブン・キング等、ウィリアム・キャッスルの信奉者は多く、近年でも『スクリーム』シリーズや『ラストサマー』シリーズなどが全米で大ヒットしているのは記憶に新しいところであろう。

Text:harry

前作『TATARI』同様の展開で、先が読めてしまったのが残念だった。そして、個々の幽霊も恐い!っていうよりも、凶暴だがかわいい〜と感じてしまうのもいただけなかった。しかし、予知で感じた霊の行動がサブリミナルで表現されているところや、それに合せての音の使い方には、度々驚かされた。ちなみにこの映画のフライヤーの注意書きに「心臓の弱い方、霊感の強い方のご鑑賞はご遠慮ください。」と書いてあるが、私はそんなことは無い!と思う。なぜなら、ただ単に恐がらせて「はい、終わり!」の結末ではなく、ちゃんと家族愛についても語っていて、見終わった後には今までの恐かった気持ちすら吹っ飛んでしまうくらい、爽やかな気分になれるからである。ホラー映画苦手だけど…でも見てみたい! そんなホラー映画初心者にはとてもおすすめの1本。最後に、私が一番「恐い!」と感じたところ、それはフライヤーの表紙の絵! 特に、目と口が恐怖に満ちて叫んでいるところが…。

Text:ツッツー

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