[バイオハザード] Resident Evil
2002年8月31日より、丸の内ピカデリー2ほか全国松竹系にてロードショー

監督・脚本:ポール・アンダーソン/撮影:デビッド・ジョンソンB.S.C./原案:カプコン「バイオハザード」/出演:ミラ・ジョボビッチ、ミシェル・ロドリゲス、エリック・メビウス、ジェイムズ・ピュアフォイ、マーティン・クルーズ、コリン・サーモン他
(2002年アメリカ・ドイツ・イギリス合作/1時間41分/配給:アミューズピクチャーズ)

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【STORY】
500名以上が働く研究所で、突如非常警報が作動する。通路は完全に遮断され、ハロンガスが空気中の酸素を奪い、人々はパニックの中でなすすべなく息絶えていった…。

古風な洋館で意識を取り戻した時、アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)の記憶は完全に失われていた。突如、静寂を破って突入してくる特殊部隊。彼らは屋敷にいたマットという男(エリック・メビウス)を捕らえると、アリスに報告を求める。もちろん、彼女には何のことだかわからない…。

部隊はアリスとマットを連れて、屋敷の地下に隠されていた列車で“ハイブ”を目指す。途中、車内で気を失っていたスペンス(ジェームズ・ピュアフォイ)が発見される。彼もまた記憶を失っている…。

部隊長ワン(コリン・サーモン)の説明によれば、ハイブとは巨大企業アンブレラ・コーポレーションが地下に作った巨大な秘密研究所で、地上の洋館はその非常用進入口、アリスとスペンスはその防衛要員---だが緊急事態が発生してコンピュータの防御システムが作動し、神経ガスが送り込まれたため、彼らは一時的に記憶を失ったというのだ。

部隊はハイブ内部へ進入する。そこは、あの惨劇の現場だった…! ハイブのメインコンピュータ“レッドクイーン”が研究所を封鎖し、所員全員を死に至らしめたのは5時間前のこと。危険な殺人鬼と化したクイーンを停止させることが部隊の任務だった。アリスは部隊と行動を共にし、やっとの事でレッドクィーンの機能を停止する。しかし、同時におぞましい者たちが解き放たれてしまったことに、まだ誰も気付いていなかった…。


【REVIEW】
ご存知世界的なヒットを記録したゲームソフトのコンセプトを見事に映像化。ゲームファンもゲームをした事の無い人もきっと「バイオハザード」の恐怖の世界の虜になるだろう。死体が動き出すと言う古典的なゾンビ映画の手法を取り入れながらも“殺人ウィルスの謎”と“失われた記憶を取り戻そうと葛藤する主人公”と言うサスペンスを織り交ぜてバランス良くまとまった作品だ。

本作では「バイオハザード」独特の世界観が、ゲームには出てこない登場人物達を使ったオリジナルのストーリーで再現される。ゲームがモチーフの作品と言えば、最近の作品では『トゥーム・レイダー』があったが、ララ・クロフトのキャラを描くための説明的な描写が、ゲームらしいスピード感を殺していて中途半端な印象が拭えなかった。しかし、『バイオハザード』は新しいキャラを使う事によりゲームファンも映画ファンも両方満足させる事に成功したと言えるだろう。もちろん、ゲームファンにはお馴染みのモンスター・キャラも無理なく登場する。

そこいら中にゾンビが溢れている研究所はさしずめお化け屋敷の様だ。これでもかと繰り出されるショックシーンに何度も椅子から飛び上がりそうになりながら、ハイスピードでハイテンションなストーリーを一気に見せてくれるのでとても疲れる映画である。(勿論、良い意味であるが) リアルさを演出するのに効いているのが実在の銃器をふんだんに使っているところだろう。特殊部隊の隊員達の性格に合わせてチョイスされているアームズに注目しながら見るとまた違った楽しみ方が出来るかもしれない。隊員達によりちょっとづつカスタムされている辺りも通好みだ。

音楽は『スクリーム』シリーズや『ミミック』を手がけたマルコ・ベルトラミと『マトリックス』や『フロム・ヘル』等に楽曲を提供しているマリリン・マンソンのコラボレート。劇中でもテンションを盛り上げる一役を担っている。サントラ盤にはマンソン以外にも豪華アーティストが共演しているのでロック好きはチェックしたいところだ。

最後に付け加えておくと、全裸シーンもあるミラ・ジョボビッチの美しい姿態と素手でケルベロス(ゾンビ犬)を蹴り殺すアクションシーンのギャップがたまらない! ドキドキ・ハラハラしたい人には間違い無くお勧めの一本である。

Text:harry

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