|
||
【STORY】
大手スーパー<上底屋>が倒産した。上底屋のチラシで生計を立てていた<梅本印刷>は大ピンチ!!月末に支払われるはずの手形が不渡りになったら連鎖倒産は確実。梅本(徳井優)は上底屋の会長(麿赤児)に泣きつくが、取り付く島もない。どん底の梅本は自殺しようとするが、そこにちょっとした事件が起こり、無職の男・鍬田(佐野史郎)と河川敷に集落を構えるホームレスの集団と関わる事になった。自殺までしようと思いつめていた梅本の身の上話に同情したホームレスのリーダー<村長>(哀川翔)と鍬田は梅本を救うべく起死回生の大博打を打つのだった…! 【REVIEW】 空前の経済不況に喘ぐ労働者たちに捧げる、一獲千金ムービー登場!! 原作は『ナニワ金融道』や『カバチタレ!』でお馴染みの青木雄二。監督も三池崇史だし、そこに哀川翔と来た日にゃ、てっきりダブルのスーツに身を固めたヤ●ザ役に違いねえと踏んでいたのに、へ?ホームレス役なの?翔さん、アンタにゃホームレスなんて似合わないぜ!ゴミ漁ったりする姿なんか見たくないぜ〜!!チャカ持って来いや〜!!!戦争じゃ〜!!!!と思わずスパークしてしまったワタクシです。ところが、この<村長>なかなかのキレ者であった。カリスマ性もあり、なにやら裏社会の事情にも詳しく、度胸もあって暴走族の襲撃にも怯まない。やっぱ翔さんはこうでなきゃ。アタシはアンタを信じてたぜ〜!!とかいいつつ、どうせやるなら典型的な負け犬系ホームレス姿が見てみたかったのにぃ〜。などと身勝手に怒ったり、信じたり。実はどうでも良かったりするのだが。(笑) 鍬田役の佐野史郎も飄々とした中にキラリと光る知性を見せる。引っ越しのサカイのCMでブレイク(?)した徳井優もショボくれた印刷屋の社長がかなりハマっていて、なんていうか安心して観る事ができる作品であった。村長の元恋人(くされ縁?)のマリ(室井滋)も情に厚いナニワ女で、何かあった時だけひょっこり現れる村長に「金ならナイで!」と不快感をあらわにするも結局色々面倒を見てしまう。一般的にはダメ恋愛のありがちパターンなのだが、これもやはり「やっぱ好っきやね〜ん♪」のやしきたかじん的愛の形なのだろう。なにはともあれ彼女には幸せになってほしいと願うばかりである。 この作品、青木雄二原作ということもあって、株操作だの手形だのとマネーのウラ技が満載であったが、シロウトにも分かりやすく作られていた。こういった事は勉強しておくともしもの時心強いだろうといつも思うのだが、こんなウラ技を駆使するようなタイトロープ人生は心臓にも悪いので、ウラ技は『伊東家』くらいにとどめておこうと思っている。 Text:でこ助 Copyright (c) 2001 UNZIP |