[セレンディピティ] Serendipity
2002年11月9日(土)みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー!

監督:ピーター・チェルソム/脚本:マーク・クライン/製作:サイモン・フィールズ、ピーター・エイブラムス、ロバート・L・レヴィ/出演:ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセール、ジェレミー・ピヴェン、モリー・シャノン、ブリジット・モイナハンほか
(2001年/アメリカ/1時間31分/配給:アミューズピクチャーズ/宣伝:マンハッタンピープル)

∵公式サイト

「運命の人なら、きっとまた出逢えるはず…」
ニューヨークが舞台のロマンティックなラブストーリー


“セレンディピティ”とは?
(1)幸せな偶然・思いがけない幸運
(2)偶然にも思いがけないものを発見する能力
(3)NYに実在する老舗カフェ「SERENDIPITY 3(セレンディピティ3)」

【STORY】
クリスマス5日前のニューヨーク。人気の百貨店ブルーミングデールズで偶然、黒いカシミアの手袋に同時に手を伸ばした男女がいた。男の名はジョナサン(ジョン・キューザック)。そしてキュートな英国女性のサラ(ケイト・ベッキンセール)。手袋はあいにく最後のひとつ。お互いに譲りあっているうちに、何となく惹かれ合うものを感じた二人は、「セレンディピティ3」でパフェを食べることに。名残り惜しい気持ちで別れた二人だったが、すぐに二度目の偶然が訪れる。それぞれ買ったばかりの手袋とマフラーを「セレンディピティ3」に忘れ、舞い戻ったのだ。運命を感じた二人は雪の降るスケート場でロマンティックなひとときを過ごす。だが急速に熱を帯びる気持ちとは裏腹に、お互いに恋人がいることもわかっていた。別れを惜しむジョナサンに、セレンディピティ(幸せな偶然)を信じるサラは、ある提案をする。ジョナサンは5ドル札に、サラは持っていた本に、それぞれ連絡先を書いて、5ドルでキャンディを買い、本は古本屋に売ってしまって、これを見つけることができたら、それが二人の運命だと言うのだ。三度目の偶然が訪れないまま数年が経ち、ジョナサンにも、サラにも、結婚が目前に迫っていた。あの時の“偶然”を忘れられない二人は、“偶然”を“運命”に変えることができるのだろうか…?


【REVIEW】
『ハイフィディリティ』以来、すっかりファンになってしまったジョン・キューザックの最新作。いま、キュートな悩めるダメ男を演じさせたら彼の右に出るものはいないのではないだろうか? トム・クルーズの様にハンサムでもなければブラッド・ピットの様にセクシーでもない。でもなぜか惹かれてしまうジョン・キューザックの魅力は「キュート」の一言に尽きると思う。

ストーリーはひと昔前ならメグ・ライアンがヒロインを演じただろう(勿論いまでも適役だと思うけど)ロマンティックでコミカルなラブストーリー。クリスマス前のNYが舞台というだけでも十分にロマンティックなのだが、ライトアップされた雪の降るスケート場はうっとりするぐらい美しくて、クリスマスのデートにぴったりの映画だ。

相手役のケイト・ベッキンセールは『パール・ハーバー』で注目を集めたニューヒロイン。写真で見た時はピンとこなかったものの、映画が始まってしまうと「カワイイー!」と思いはじめ、いつの間にか応援したい気持ちになっていた。彼女の魅力はおそらく等身大のヒロインを演じられる点にある思う。だから観ているものはつい、感情移入してしまうのだ。

実はこの映画の主役はジョナサンでもサラでもなく“運命”だ。運命が存在するかどうかは誰にも知ることができない。でもこころの深層には運命があるのではないだろうか? 信じるか否かは自分次第。そして運命を自分のものにするかどうかも自分次第。そんな運命の感覚をロマンティックに描くこの作品は、運命の恋を信じる女の子に見て欲しい、素敵なファンタジーだ。

Text:nakamura [UNZIP]

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