[たそがれ清兵衛]
11月2日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて公開

監督:山田洋次/原作:藤沢周平「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」(新潮文庫)/出演:真田広之、宮沢りえ、小林稔侍、大杉漣、吹越満ほか
(2002年/日本/2時間9分/配給:松竹)

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(C)2002 松竹/日本テレビ/住友商事/博報堂/日販/衛星劇場

【STORY】
幕末、庄内の海坂藩。男手ひとつで娘ふたりと老母の面倒をみている平侍、井口清兵衛(真田広之)は行き掛かり上、隠していた剣術を披露する。腕を見込まれた彼は、藩からひとりの男を殺せと命じられる。清兵衛が想いを寄せる幼馴染み飯沼朋江(宮沢りえ)との秘めた恋、そして命を賭けた壮絶な果たし合いの行方はいかに…?

【REVIEW】
『男はつらいよ』『幸福の黄色いハンカチ』『学校』など、数々の心に残る傑作を生み出してきた日本映画界の巨匠・山田洋次監督が初めて挑んだ本格時代劇『たそがれ清兵衛』。原作は、圧倒的な人気を誇る時代小説の第1人者・藤沢周平。テーマは“人間の幸せとは? 人生で大事なことって何?”といった現代人が失いつつある“心”に問いかけている。しかし、大きなテーマを掲げてはいるわりには、映画を観終わって残る余韻や感動が期待以上になかったというのが本音である。

本作では明治維新直前のかつての日本が舞台として設定されているが、映画の細部にわたり監督がこだわったという風景がその時代をよく描写しており、日本にもこんな時代があったんだな、と妙に感心させられる。素朴で純朴な人間、その素朴・純朴さをとてもよく表現していた子役の2人には感動した。そして、最近ますますきれいになった宮沢りえさんの好演にも目がはなせなかった。普段、邦画を苦手としている私であるが、豪華なキャストと昔ながらの日本をリアルに拝見することができちょっと得した気分であった。

Text:Takagi


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