[ラベンダー]
2003年1月25日よりシネ・リーブル池袋にてロードショー公開

監督・脚本:イップ・カムハン/製作:ゴールデンハーベスト、UFO/出演:金城武、ケリー・チャン、イーソン・チャン、チャン・ペイペイ、ヴィンセント・コック、テレンス・イン他
(2000年/香港/107分/配給:ツイン、キングレコード)

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【STORY】
アテナ(ケリー・チャン)はアロマショップを経営しながら、閉店後の店でアロマテラピーの講義もしている女性。さみしい時、若返りたい時、ゆっくり眠りたい時、いろいろな気分に合わせた香りの調合法を無数に知っている。だが彼女自身の毎日は味気なく、家と店を往復するばかり。食事はいつもインスタントラーメン。そして、毎日必ず買って帰る風船にメッセージを書きなぐって空へ飛ばす---「あなたがいなくてさみしい」。アロマオイルを垂らしたお風呂に浸かっては、ひとり涙を流すアテナ。そんなある嵐の夜、大音響とともに何かがテラスに落下してきた。それは、背中の羽根が傷ついてしまったエンジェル=天使だった! こうしてエンジェル(金城武)とアテナは出会う。アテナにもらった初めての靴に大はしゃぎするエンジェル。アテナの隣人チャウチャウはエンジェルを毎晩のようにゲイ・クラブに連れ出してくれる。初めてのお酒、初めてのタバコ、初めてのダンス。エンジェルは下界の生活を大いに謳歌する。やがてアテナが夜ごと流す涙の理由をチャウチャウが説明する。チャウチャウの幼馴染だったアンドリューとアテナは愛し合っていたが、特殊部隊に入っていたアンドリューは熱中症であっけなく死んでしまったのだ。エンジェルが天国に戻るときにアンドリューへのプレゼントを持って行ってもらおうと、アテナは毎日両手に一杯の買い物をしてくるようになった。アンドリューを忘れられないアテナと、そんなアテナのことが気になるエンジェル。ある日、アテナに靴を捨てられたエンジェルは、大切なものを失う悲しみを初めて知り、同時に「本当の愛」とは何かがわかリ始める。テレビのニュースで、バチカンがクリスマス・ミサに天国への扉を開けると報じている。エンジェルが帰るときが来たのだ。アテナとエンジェルはヨーロッパへ飛ぶ。アテナの希望で南仏のラベンダー畑に寄って、花束を手に入れる。アンドリューへの贈り物だ。バチカンへ向かう汽車を待つ間、駅のベンチでエンジェルは生まれて初めて涙をこぼし、アテナに愛を告げるが、受け止めてもらえない。愛をもらえないエンジェルは寝台車の中で衰弱していく。エンジェルによって天国にいるアンドリューの姿を見ることが出来たアテナは、目を開けるとエンジェルがぐったりしていることに驚き、キスの雨を降らせる。このときアテナは自分もまたエンジェルに強く惹かれていることに気づくのだったが…。

【REVIEW】
「靴」って履いている人の感じがよ〜くわかると思いませんか!? この映画はいろいろな人の靴だけで描かれるシーンが多い。そしてエンジェルにとってアテナからの初めてのプレゼントが、薄汚れた少し大きめのワークシューズ。初めてのプレゼントにはしゃぐエンジェルが楽しそうに歩く姿には、見ている私もワクワクする。「あ〜、何かをもらえるってこんなにもワクワクすることなんだ〜」と思い出して嬉しい気持ちになった。エンジェルの食べ物は愛だ、というところも幻想的でとてもよい。クリスマス時期に公開したらよかったのに〜なんて思う、心温まる物語だ。

ちなみに最近ふたたび若者に人気のイラストレーター、水森亜土さんもこの映画がとてもお気に入りらしい。この映画の為に書き下ろしたイラスト版ポスターの発売も決定! こちら、とてもかわいいのでぜひ注目してほしい。

Text:ツッツー

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