[逢いたくて] au plus pres du PARADISE
2003年3月8日より銀座シネ・ラ・セットにてロードショー

監督・脚本・原案:トニー・マーシャル/撮影:アニエス・ゴダール/出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ウィリアム・ハート、ベルナール・ル・コック、エレーヌ・フィリエール、フランソワ・アルナル他
(2002年/フランス/1時間40分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ、メディアボックス)

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【STORY】
ファネット(カトリーヌ・ドヌーヴ)はパリの出版社で美術書の編集を担当するキャリア・ウーマン。ある日ファネットは、偶然出逢った学生時代の友人から、忘れられない“フィリップ”の名を耳にする。フィリップの名を耳にしてから、自分を重ね合わせ、映画館で『めぐり逢い』を何度も観てしまうファネット。そして、街のあちらこちらでフィリップの姿を見かけたような気がし始め、現実と夢を彷徨うようになっていく。

そんな折、ファネットは、降りしきる雨の中に残された手紙を発見する。後を追いかけるが、そこにもう彼の姿はない。その手紙にはこう書かれていた。「エンパイアステートビルの上で会おう フィリップ」
偶然にもファネットは、手がけていた美術書に必要な絵画の写真をアメリカで撮影することになる。はやる心でニューヨークに向かった彼女を待ち受けていたのは、マット(ウィリアム・ハート)という魅力的な男性カメラマンだった。ファネットに興味を抱いた彼は、大胆な行動で彼女の心を掻き乱す。そして彼女もまた少しずつマットに惹かれ始めていくのだが、ついに、フィリップの手紙に書かれた運命の日がやって来て、ファネットは約束のエンパイアステートビルに向かうのだった……。

【REVIEW】
ヒロインのファネットは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『8人の女たち』のカトリーヌ・ドヌーヴ。ファネットがアメリカで出会う魅力的なカメラマンを『蜘蛛女のキス』『スモーク』のウィリアム・ハートが演じている。ドヌーヴの衣装はジャン=ポール・ゴルチェによるもの。衣装の色彩がとても綺麗な分、やはりドヌーヴの身体の衰えが気になってしまいます。それもそのはず、パンフレットを見て驚いたのですが、カトリーヌ・ドヌーヴは1943年生まれ。もうすぐ還暦なんですね…。そう考えると納得、というか女性としての存在感に関心してしまいます。

この作品は、名作『めぐり逢い』(ケーリー・グラント、デボラ・カー出演)が重要なモチーフとなっていて、秘めた恋と新しい恋の間で揺れ動く女性の微妙な心理、心の変遷が繊細に描き出されています。しかし、ストーリーや背景などの不明な点が多く、自分には感情移入しきれない部分がありました。もう少し年をとってから再度見てみると違うんでしょうね。

Text:niimura [UNZIP]

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