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【STORY】 ミリタリー・コンピュータのスカイネットが支配する未来社会で人類の抵抗軍のリーダーとなる宿命を追ったジョン・コナー。前作『ターミネーター2』では、母サラ・コナーと共にスカイネットの建設を進めていたサイバーダイン社に侵入してすべての研究データを破壊した。それは自分を守るために未来から送り込まれて来たターミネーターとの辛い別れを意味する出来事でもあった。ジョンと固い友情で結ばれた彼の犠牲によって、世界は来るべき「審判の日」から救われたかに思えた。あれから10年。すでに自身の使命を果たし終えたジョン(ニック・スタール)は、新たな人生の目的を模索するように、放浪生活を送っていた。「審判の日」は避けられ、彼が抵抗軍のリーダーとなる日は永遠にめぐって来ないように見えた。しかしその思いとは裏腹に、心のどこかで不安をぬぐいきれないジョン。そして、彼の悪い予感は、ある日現実のものとなる。未来のスカイネットは存在し、いまだにジョンの命を狙い続けていたのだ。今回過去に送り込まれたのは、前回のT-1000を遥かに上回る性能を持つ究極のターミネーター、T-X(クリスタナ・ローケン)。そして、またあのターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、ジョンの目の前に現われた。果たして彼は、誰が、どんな目的で送り込んだものなのか…? 【REVIEW】 瞳孔開きっぱなしの超興奮アクション・エンターテインメント作品。今回は前2作のジェームズ・キャメロン監督から『U-571』のジョナサン・モストウ監督にバトンタッチしている。前作『ターミネーター2』が“人生で最も泣けた映画”の私は、この監督の変更にいささか不安を感じながら、幕が開くのを待っていた。 VFXもサウンド・デザインも、よりダイナミックになり、非常にテンポよく物語が進む。飽きさせない、というよりも、目を離す暇がなくて、いつまでも終点につかないジェット・コースターに乗っているような感じだ。年齢的に、前作と同じターミネーターを演じることができるのかが心配だったアーノルド・シュワルツェネッガーも、毎日3〜4時間のワークアウトで前作と同じ体型を獲得しており、全く不自然さを感じさせない。前2作同様、オール・ヌードの「誕生」シーンを吹き替えなしでこなしたというから驚きである。 さて、この第3作。たしかに迫力ある面白いアクション映画なのだが、シリーズの中では『ターミネーター2』が一番好き、という私のような人は物足りなさを感じるかもしれない。映画を観終わった後にこころに残る、あの感動、せつなさ、…今作ではそれがあまり感じられなかったように思うのだ。それでもやっぱり面白い映画であることには間違いないし、『ターミネーター』シリーズのファンには、自分の目で確かめてみて欲しいと思う。 Text:nakamura [UNZIP] Copyright © 2003 UNZIP |