[ベアーズ・キス] BEAR'S KISS
2003年8月2日(土)よりシネセゾン渋谷他全国順次ロードショー

制作・監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ/出演:レベッカ・リリエベリ、セルゲイ・ボドロフJr.、ヨアヒム・クロール
(2002年/カナダ/98分/配給:ギャガコミュニケーションズ Gシネマグループ)

【STORY】
極寒のシベリア、母熊が人間に襲われて生まれたばかりの小熊が雪の上に震えている。数カ月の後、動物市場で小熊はサーカス団のブランコ乗りの少女ローラと出会う。父親は酒飲みのマルコ。母親は空中ブランコのカルメン。旅から旅への暮らしの中で、ローラの心を癒してくれるのはミーシャと名付けた小熊だけ、ある日、ローラは父親に嫌気のさした母から自分が本当の母親でないことを告げられる。そして母は二人と一匹の元から去っていった。月日が流れてすっかり大きくなったミーシャに月のきれいな夜、不思議なことが起った。ローラがミーシャの檻に行ってみるとなんとそこにはミーシャと名乗る裸の男がいたのだった…。

【REVIEW】
ロシア、スウェーデン、ドイツ、スペインと4つの国をまたがってミーシャとローラの旅は続く。ただでさえ、人間と獰猛な熊(獰猛というのは人間から見た印象であってすべての熊が獰猛というわけではない)というハードルがあるのにローラとミーシャは恋をする。本当に自分の愛するペットが、もしも人間だったなら?と考えたことは誰だってあるはず。でも本当に人間になったところでペットの気持ちはどうなんだろうか。おとぎ話が現実に起ったとき、あなたならどうしますか?

本編ではローラは孤独な環境の中で成長していくのだけれど、ローラにはミーシャしかいない。ミーシャもローラがすっごく大切。愛ゆえにどうにもならない状況が痛い程伝わってくる。また、ローラとミーシャが出会う様々な人間。悪い人もいれば、心が休まるくらい良い人もいる。どんな状況に立っても突き通せる愛っていうのはきっと誰の人生にも起ることではないでしょうか。それは本当におとぎ話になるような…。


Text:f.asada

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