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アメリカのテレビ界の伝説的プロデューサー、チャック・バリス。
しかし彼には、CIAの工作員として33人を暗殺したという裏の顔があった…。 【STORY】 若く、エネルギッシュでテレビ業界で頂点を極めることを目指すチャック・バリス(サム・ロックウェル)。誰もが驚くようなエンタテインメント番組で一旗揚げたい彼は、手始めにNBCの案内係からキャリアをスタートし、やがて土曜の夜のゴールデン・タイムに放送される人気バラエティー番組を手掛けるまでになる。しかしその裏では、謎の男ジム(ジョージ・クルーニー)に導かれて、CIAの秘密工作員として殺人の特訓を受け、スパイ活動をしている。バラエティー・ショーとスパイ活動。昼と夜の二つの華やかな世界に浸っていたチャックだったが、次第に制御不能に陥りはじめる…。 【REVIEW】 1984年に出版されたチャック・バリスの自伝「Confessions of a Dangerous Mind/危険な心の告白」をもとに、あの、奇想天外な『マルコヴィッチの穴』で観客のド肝を抜いた、チャーリー・カウフマンが脚本を手掛けたのが本作だ。監督には、本作が監督デビューとなるジョージ・クルーニー、製作総指揮にスティーヴン・ソダーバーグ…と、これだけでも十分に魅力的。さらに『オーシャンズ11』でもジョージ・クルーニーと共演しているジュリア・ロバーツが謎の女スパイ役で出演。ヒロインを演じるのは、『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』での来日も記憶に新しい、ドリュー・バリモアである。ここまで揃ってしまうと、「なのに面白くなかった!」なんてことになるのがコワイのだけれど、『コンフェッション』は期待以上に面白い映画であった。 驚くべきは、ジョージ・クルーニーの監督としての才能である。ものすごく凝った絵作りをしていながらも、エンタテインメント作品として誰もが楽しめる作品になっており、これが初監督作品だとは思えない程の出来なのだ。クルーニーは、もともとは俳優としてこの作品に関わっていたそうだが、当初の企画が頓挫したとき、カウフマンの脚本に惚れ込んだ彼が監督に名乗りを上げたのだとか。ソダーバーグとともに「セクション・エイト」という映画製作会社を設立し、『オーシャンズ11』『インソムニア』ではプロデューサーとしても成功した彼の、新しい才能に注目して欲しい。 Text:nakamura [UNZIP] Copyright © 2003 UNZIP |