[クジラの島の少女] Whale Rider
2003年9月13日より恵比須ガーデンシネマ他にて公開

監督・脚本:ニキ・カーロ/製作:ティム・サンダース、ジョン・バーネット、フランク・ヒューブナー/原作:ウィティ・イヒマエラ「ザ・ホエール・ライダー」/出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・パラテーン、ヴィッキー・ホートン、クリフ・カーティス他
(2003年/ニュージーランド/1時間42分/配給:日本ヘラルド映画)

不思議な運命をめぐるマオリ族の少女パイケアの、愛と勇気の物語。
トロント、サンダンス、ロッテルダムの映画祭で観客賞をトリプル受賞。
世界中の観客に支持されるニューヒロインの誕生!


ニュージーランドの小さな浜辺の村。そこで暮らすマオリ族は、遠くハワイキからクジラに乗ってやってきたという伝説の勇者パイケアの子孫達だ。村のリーダーは代々男と決まっている。ところが、族長の家に授かったのは、勇者と同じパイケアという名を持つ女の子だった。

孫娘を愛していながらも、女であるがゆえにその存在を認めようとしない祖父と、祖父に自分の存在と祖父への愛を認めて欲しいパイケア。若者達が村を去って行く中、この少女こそマオリの危機を救うことができるたった1人の人間であるという真実に気付く者はいない。ところがパイケアが12才を迎えた時、クジラ達が次々と姿を現し始める…。

“選ばれし者”パイケアを演じるのは、本作がデビューとなるケイシャ・キャッスル=ヒューズ。ニュージーランド中の1万人の子供達の中から選ばれた彼女は撮影当時11才。まったく演技経験がなかったというが、その生き生きとした演技には驚かされる。ある程度想像がつくストーリーであるにも関わらず、観客の心を震わせる作品となっているのは、彼女の演技と、そのイノセントな魅力に負うところが大きいのではないだろうか。

原題は『Whale Rider(クジラ乗り)』。クジラに乗ったパイケアの姿は、ちょうど王蟲(オーム)に乗った「風の谷のナウシカ」のヒロイン、ナウシカを思い出させた。

Text:nakamura [UNZIP]

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