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ニューヨリカンのカリスマ、ミゲル・ピニェロの半生の物語。 ベンジャミン・ブラッドのライブ感溢れる演技に注目! 【REVIEW】 ミゲル・ピニェロと言っても、知らない人も多いだろう。ニューヨークに住むプエルトルコ人、ミゲル“マイキー”ミニェロは、自らを“ニューヨリカン”と称し、ニューヨリカン・カルチャーのコミュニティ“ニューヨリカン・ポエッツ・カフェ”を創設した人物のひとり。ドラッグ、窃盗など数々の犯罪歴を持ち、劇作家、詩人、俳優としては並外れた才能の持ち主。自称、ジャンキー・クライスト。刑務所内で書いた戯曲『ショート・アイズ』は1977年に映画化もされている。この時音楽を手掛けたのはあのカーティス・メイフィールド。そんなミゲル・ピニェロの半生を描いたのが本作である。 ピニェロを演じるのはベンジャミン・ブラッド。二枚目過ぎて「本物よりも格好いい」なんて言われてもいるが、魂のこもった演技に圧倒されるにつれ、そんなことも全く気にならなくなってくる。ポエトリー・リーディングなんて退屈なものだと思っていたけど、ベンジャミン演じるピニェロのそれは、感覚的にはメッセージ性の強いラップを聞く感じに近い。 音楽はキップ・ハンラハン。彼の事実上の最新作でもあるサントラは映画公開前から注目されており、国内版の発売が待たれる。 リズミカルな台詞まわし、たたみかける様な映像表現。映画が終わった時、素晴らしいライブを見た後の様な、強烈な感動が残る作品だ。 Text:nakamura [UNZIP] Copyright © 2004 UNZIP |