『バニラ・スカイ』トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・クロウ来日記者会見レポート!

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2001年12月13日(木)東京・新宿 パークハイアット東京にて『バニラ・スカイ』製作・脚本・監督のキャメロン・クロウ、プロデューサー兼主演のトム・クルーズ、ぺネロぺ・クルスの来日記者会見が行われました。

会場となったパーク・ハイアット東京はトムの前妻、ニコール・キッドマンの勧めだとか。新恋人と噂されるペネロペを伴っての来日に注目が集まりました。


【Q:質問/T:トム・クルーズ/C:キャメロン・クロウ/P:ペネロペ・クルス】

Q:プロデュサーとして ぺネロぺクルスを抜擢した経緯、成果、彼女のどこにプロデュサーとして魅力を感じたかをお聞きします。

T:まず『オープン・ユア・アイズ』を観た時、私は体中にアドレナリンが駆け巡りました。そして素晴らしいと思ったのが、あの映画がどこの文化にも根ざされていないという点です。キャメロン・クロウ監督にこの映画をみせて作れるのじゃないかとディスカッションし、二人でこれは娯楽映画になると考えました。特にキャメロン監督は非常にポップカルチャーに興味を持っている。そして男と女の関係を描くのが非常にうまい。また、二人ともロマンチストである。この映画のテーマは“愛の永遠性”です。まず、カルチャーの道楽といったところで、ぐるぐる回転していく。そういう映画を作るということは楽しいし、観る側も楽しいです。そして観終わった後に男と女の関係についてなにが正しいのかお客さんがディスカッションする。人間は人生の中でチョイスをします。どういうチョイスをするべきか、そのチョイスが他の人に影響を与えるが、それに対してどう責任をとるのか、といったように深いテーマがあるのです。こういったことを娯楽というパッケージの中に詰め込んでいるわけです。

ぺネロぺをキャストしたのは監督です。彼女は非常に才能のあるスペインの女優さんで、この映画にパーフェクトなキャスティングだと思っています。私は、この映画をとても誇りに思っていて、今迄作った映画の中でベストだと思っています。娯楽性もありますし、内容が深いので皆さんが2度観たくなる、そして2度目は全く前とは違う体験をさせてくれる映画、そして2度目には巧妙に設定された手掛りが見えてくるという、エキサイティングな映画に仕上がっています。

Q:トムクルーズさんに質問ですが、マンハッタンをたった1人で走り回るシーンがありましたが、普通ではありえないようなシチュエーションをどのように受けとめましたか?

T:あのシーンはCGを使っていません。タイムズ・スクエアはニューヨークのポップカルチャーの象徴です。そのタイムズ・スクエアを、日曜日に40ブロックを遮断して実際に撮影しました。ニューヨーカーも協力してくれたから実現できたシーンです。

Q:ぺネロぺ・クルスさんに質問ですが、今回のハリウッド版に、どうしても同じ役で出演したいと思った理由と、実際演じられてどんな感想をお持ちになったのかを教えてください。

P:この映画がアメリカで作られると聞いた瞬間から出たいと思いました。同じソフィアですけれども、監督が違うので全く違うキャラクターなのです。この2人のソフィアが会話をしている様に感じていました。2人のソフィアは友人にはなることができるが、決して同じ人物、役ではないということです。

Q:監督にお聞きしますが、この音楽の選曲について教えてください。

C:この映画に関わった人たちは皆、音楽好きの人間ばかりだった。映画で流れている音楽は、スタジオでも実際に同じ音楽を流していた。また、ポールマーカットニーとの夢の実現がありとても嬉しい。『バニラ・スカイ』というタイトルは、少しビートルズくさいなと思っていたので、それをポールが歌ってくれたことによってパーフェクトに仕上がりました。

Q:デヴィッドは同じ女とは2度続けて会わない、うぶな女ほど燃えるというカジュアル・セックスを代表するような男であるが、これはカジュアル・セックスの最近の若者に対する警告と受けとめてよいのですか?

C:この映画にはいろんな切り口がある。そして、モラルのお説教を押し付けるつもりはない。ただ、観客に考える切っ掛けとして質問をしたかったのです。つまり、カジュアル・セックスとはどこまでをカジュアルというのか。私が思うには、カジュアルとはどちかが装っている場合が非常多い。キャメロン・ディアスが演じている彼女もカジュアルな顔をしていますが、実際はあのように演出しており、フリをしている。この映画を観て、今のような事について友達や家族とディスカッションしてもらいたいのです。そして、素材として楽しんでもらいたいのです。

Q:監督へ質問です。(ハリウッドでは)新人の俳優を使うこと、また俳優から演技を引き出すことが上手い監督さんだと思うのですが、そのコツと演技についての考え方を教えてくさい。

C:ぺネロぺを発見したことは私の手柄ではありません。スペインではすでに有名だったのですから。私は、キャラクター作りを主眼においている俳優が好きです。つまり自分じゃない違う人物を作り出すという俳優が好きなのです。いくら演じているとはいえ、一番の根源はその人の中にある。だからいつも俳優さんの中から何か引き出すものがある、引き出そうと思ってその俳優と接しているのです。

Q:今回この映画は、キャスト、スタッフといい理想的なメンバーと聞いておりますが、チームの印象についてそれぞれ皆さんの意見を聞かせて下さい。

T:私が映画を好きな理由は、1つの映画が仕上がるためにはファミリーができる。ここがとても素晴らしい所である。そして、プロデューサーもやったわけですが、力の限りを出して監督のヴィジョンが実現出来るような環境作りに精を出すわけです。そのためには、どんなヘルプも惜しまないという、そういう気持ちでプロデューサーの役割を果たしました。スタッフ全員が何かに関わっているというワークシップ的なところが好きなのです。私は、ハードワーカーと言われていますが、仕事は大変ですが、皆が一体となって突き進むという緊張感が楽しいし、嬉しいのです。

P:本当に素晴らしい雰囲気だったのでとても楽しかったです。監督は監督、プロデューサーはプロデューサーとして気をつかってくれ、仕事がとてもしやすい環境でありました。皆、ユーモアもあり和気あいあいとした雰囲気でした。

C:本当に素晴らしいチームでありまして、トムにしてもすごい経験があるのにフレッシュに挑んでくれたため、いい雰囲気になったのです。最後に、この映画を観てストーリーについて語ってほしい。スタッフでさえも現場で、ディスカッションをしていた。ゲームの映画という感覚でとらえてほしい、我々作ったチームがそのようにとらえて作ったのであるから。


■通訳は戸田奈津子さん。「しゃべり過ぎてごめんね」と戸田さんを気遣って汗を拭いてあげる真似をしたり、大スターでありながら気配りも忘れないトムはやんちゃな好青年という印象。楽しい雰囲気の会見でした。

Text: imafuku [UNZIP]

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